公演情報
マニック・ストリート・プリーチャーズ、ラグビーW杯にあわせ来日中! 大ヒット・アルバム『This Is My Truth Tell Me Yours』発売20周年記念公演のライヴレポートが到着! アジアン・カンフー・ジェネレーションをスペシャルゲストに迎え本日は豊洲PITにて公演を行います!!
昨年キャリア最大のヒット作『ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ』のリリース20周年を祝ったマニック・ストリート・プリーチャーズが、3年ぶりに来日。ASIAN KUNG-FU GENERATIONをゲストに迎えて9月26日、東京・お台場のZepp DiverCityにて初日公演を行ない、このアルバムを主役にしつつ30年にわたるキャリアを網羅する、110分の濃密なショウを披露してくれた。
15年にサマーソニック・フェスティバルに出演した際はサード『ホーリー・バイブル』の、16年の単独来日では4作目『エヴリシング・マスト・ゴー』のリリース20周年を記念する公演を行ない、日本では3回連続のアニバーサリー・パフォーマンスとなるマニックス。構成は変わらず、長年のサポート・メンバー(鍵盤奏者ニック・ネイスミスと、ギタリストのウェイン・マレイ)を交えた5人編成で、前半では『ディス・イズ・マイ・トゥルース〜』全編をプレイし、後半は豪華に代表曲を盛ったグレーテスト・ヒッツ・セットだ。
まずは前半。ジャケットと同じように、ウェールズはポルスマドグの海岸の風景を背にして、アルバムを再現し始めて間もなく、ジェームスは「途中でバーに逃げ出して、一杯呑みに行きたくなる曲もあるだろうね」と苦笑交じりにオーディエンスに告げる。実際本作は、英国内だけで100万枚を売り上げていながら、決してキャッチーな作品ではない。深いメランコリーと気だるさに包まれていて、深海に沈んでいるかのようなトーンがその魅力でもある。彼らはそういうトーンを崩すことなく、逆に、通常よりダークなライティングで強調。たっぷりと空間を含んだサウンドスケープをキーボードを効果的に配して描き出し、隔絶された世界に没入させてくれる。初のUKナンバーワン・シングルだった『輝ける世代のために』を、本来の2曲目ではなくラストに配置していたのは、そこに高揚感を与えて次につなぐためだろう。
そう、5人は間髪入れずにそのまま後半に突入すると、ファースト『ジェネレーション・テロリスト』のオープニング曲『スラッシュ&バーン』で、前半の厭世的な空気を一掃。失うものなど何もなかった頃の自分たちに立ち返る。以後、最新作『レジスタンス・イズ・フュータイル』(18年)のシングル曲『インターナショナル・ブルー』から、リッチーに捧げた『ユー・ラヴ・アス』まで、アップビートなアンセムをこれでもかとラインナップ。前半のテンションから解放されたオーディエンスを沸かせる。また、最近セットに加わったガンズ・アンド・ローゼズの『スウィート・チャイルド・オブ・マイン』の屈託ないカヴァーも、ハイライトのひとつ。言うまでもなく、初期の彼らに多大な影響を及ぼしたバンドであり、アクセル・ローズとスラッシュの二役をこなすジェームスにシビれるばかりだ。
そしてフィナーレは、「初めて日本に来た時を思い出す曲」と彼が紹介した『享楽都市の孤独』。奇しくも、15〜16年の公演でもこの曲がフィナーレを飾っていた。ここにきて来日も15回を数えるが、マニックスは四半世紀前に日本のファンと結んだ絆をこうして再会するたびに確認し、今なお強固なものにしている感がある。2日目、27日の豊洲PIT公演も見逃せない。
最後に、今回のツアーのために選んだのか、日本のために特別に選んだのか、定かではないが、セットリストに添えられていた引用文を訳出しておこう。ニッキーが昨年自身のアート作品の展覧会を行なった際にインスピレーションに挙げていた、草間彌生の言葉だ。
「私のアートは、私自身にしか見ることができない幻覚に根差している。自分を苛むその幻覚と執拗につきまとうイメージを、彫刻および絵画という形に置き換えているのだ」
(文:新谷洋子 写真:Mitch Ikeda)
【Zepp DiverCity公演のセットリストを、プレイリストで期間限定にて公開中!】
Manics Street Preachers | Tokyo 2019 Setlist
https://lnk.to/MANICSTokyo2019Setlist
本日17時より会場にて当日券販売あり!
公演詳細はコチラ
15年にサマーソニック・フェスティバルに出演した際はサード『ホーリー・バイブル』の、16年の単独来日では4作目『エヴリシング・マスト・ゴー』のリリース20周年を記念する公演を行ない、日本では3回連続のアニバーサリー・パフォーマンスとなるマニックス。構成は変わらず、長年のサポート・メンバー(鍵盤奏者ニック・ネイスミスと、ギタリストのウェイン・マレイ)を交えた5人編成で、前半では『ディス・イズ・マイ・トゥルース〜』全編をプレイし、後半は豪華に代表曲を盛ったグレーテスト・ヒッツ・セットだ。
まずは前半。ジャケットと同じように、ウェールズはポルスマドグの海岸の風景を背にして、アルバムを再現し始めて間もなく、ジェームスは「途中でバーに逃げ出して、一杯呑みに行きたくなる曲もあるだろうね」と苦笑交じりにオーディエンスに告げる。実際本作は、英国内だけで100万枚を売り上げていながら、決してキャッチーな作品ではない。深いメランコリーと気だるさに包まれていて、深海に沈んでいるかのようなトーンがその魅力でもある。彼らはそういうトーンを崩すことなく、逆に、通常よりダークなライティングで強調。たっぷりと空間を含んだサウンドスケープをキーボードを効果的に配して描き出し、隔絶された世界に没入させてくれる。初のUKナンバーワン・シングルだった『輝ける世代のために』を、本来の2曲目ではなくラストに配置していたのは、そこに高揚感を与えて次につなぐためだろう。
そう、5人は間髪入れずにそのまま後半に突入すると、ファースト『ジェネレーション・テロリスト』のオープニング曲『スラッシュ&バーン』で、前半の厭世的な空気を一掃。失うものなど何もなかった頃の自分たちに立ち返る。以後、最新作『レジスタンス・イズ・フュータイル』(18年)のシングル曲『インターナショナル・ブルー』から、リッチーに捧げた『ユー・ラヴ・アス』まで、アップビートなアンセムをこれでもかとラインナップ。前半のテンションから解放されたオーディエンスを沸かせる。また、最近セットに加わったガンズ・アンド・ローゼズの『スウィート・チャイルド・オブ・マイン』の屈託ないカヴァーも、ハイライトのひとつ。言うまでもなく、初期の彼らに多大な影響を及ぼしたバンドであり、アクセル・ローズとスラッシュの二役をこなすジェームスにシビれるばかりだ。
そしてフィナーレは、「初めて日本に来た時を思い出す曲」と彼が紹介した『享楽都市の孤独』。奇しくも、15〜16年の公演でもこの曲がフィナーレを飾っていた。ここにきて来日も15回を数えるが、マニックスは四半世紀前に日本のファンと結んだ絆をこうして再会するたびに確認し、今なお強固なものにしている感がある。2日目、27日の豊洲PIT公演も見逃せない。
最後に、今回のツアーのために選んだのか、日本のために特別に選んだのか、定かではないが、セットリストに添えられていた引用文を訳出しておこう。ニッキーが昨年自身のアート作品の展覧会を行なった際にインスピレーションに挙げていた、草間彌生の言葉だ。
「私のアートは、私自身にしか見ることができない幻覚に根差している。自分を苛むその幻覚と執拗につきまとうイメージを、彫刻および絵画という形に置き換えているのだ」
【Zepp DiverCity公演のセットリストを、プレイリストで期間限定にて公開中!】
Manics Street Preachers | Tokyo 2019 Setlist
https://lnk.to/MANICSTokyo2019Setlist
本日17時より会場にて当日券販売あり!
公演詳細はコチラ