vistlip、8周年。「Ⅷ anniversary Live "OVERTURE"」、Zepp Tokyo。
文字にすれば非常に簡潔ではあるが、8年と言う年月を実際に経たメンバーにとっては、その事実も意味も非常に深いものである。
その煌びやかなルックスから、順風満帆な活動を繰り広げてきたと思われる事も多いかもしれない彼ら。
しかし、実は波乱万丈な物語もその陰には存在する。その荒波の中を、着実にここまで進んで来たタフなバンドでもある。
BGMが流れる会場は、開演前から既に熱気が満ち溢れ、
満員のオーディエンスは「バンド結成から8周年」という祝祭開始の瞬間を待ちわびていた。
会場は開演時間を少し過ぎたころ、一気に暗転。ステージを覆う白紗幕に幾何学的な映像~幕越しにメンバーのシルエットが映し出され、
そのまま1曲目の演奏が始まる。オーディエンスの興奮は一気に高まり、大歓声が巻き起こる。
この日のライブはなんと新曲「BABEL」からスタートと、実に挑戦的な展開。
続く「EDY」から「EVE」では一斉にメンバーがステージ前面に躍り出し、オーディエンスを挑発していく。
智(Vo)が「もっとでかい声が出るだろ?」と激しく煽ると、
それに導かれるようにYuh(G)が超テクニカルなギターソロを弾き出し、フロアを熱く突き上げていく。
久々にライブで披露された「FIVE BARKIN ANIMALS」では、イントロで悲鳴にも似た歓声が上がる。
この曲では海(G)のラップも炸裂。バンドの屋台骨をしっかり支え、骨太なギターを奏でる彼のもう一つの面がフィーチャーされ、
ステージ上のパフォーマンスはさらに熱気を帯びて行く。
続けて披露された「LION HEART」ではバンドの「ミクスチャー感」が全開となる。
へヴィなリズムとギターリフが楽曲を引っ張り、かつ途中にラップがフィーチャーされ、
サビではキャッチーなメロディが空気を一変させるところなどは、ある種このバンドの真骨頂とも言えるだろう。
様々な音楽ジャンルを呑み込み、全てを吸収した上で、誰しもが口ずさむことができるメロディが楽曲から飛び出す。
このハイブリッドさが、vistlipがジャンルを超えて多くのファンから支持される由縁ではなかろうか。
セットリスト中盤には彼らがブレイクするきっかけともなったシングル曲、「SINDRA」が披露され、
それに続くMCでは智がバンドの8周年をオーディエンスと共に祝いつつ、「みんなと同じ夢を見よう。」
と更なる未来の飛躍を誓う一幕も。
ここからライブは一気に終盤戦に突入。彼らの勢いはステージを飛び出さんばかりに増していく。
「GLOSTER IMAGE」「ROACH」ではTohya(Ds)の高速ビートが大爆発。
大きなアクションでドラムを激しく叩くその様はフロアの熱気をさらに増幅し、
ステージを縦横無尽に駆け抜ける瑠伊(Bs)の煽りも激しさを増していく。
激しさの中にもタイトな音色を響かせるこのリズム隊の存在が、vistlipの鮮やかな音楽性を支える大きな武器だ。
本編ラストには本年3月にリリースされニューアルバム"LAYOUT"から「Idea」を披露。
銀テープが舞い降りる中、彼らはステージを降りた。
アンコールではバンドのアットホームな一面が全開に。
昨今話題の某ダイエットジムのネタを織り交ぜ、Tohyaが爆笑ダイエットトークを展開。
オーディエンスと謎のコールアンドレスポンスを披露するなど、大きな歓声を浴びた。
その爆笑ネタにバンド全員が突っ込みつつも、さらりとバンドの未来を語る熱い話に持ち込むと言う熟練の技を見せる智のMC術に、
満員のオーディエンスも引き込まれるように聞きいる様子が印象的であった。
その力強く熱いMCに導かれ、8周年をオーディエンスと共に祝いながら、「July Ⅶth」を披露。
この曲で高らかに響いた、伸びやかで透き通るような智のボーカルワークは、この日ハイライトシーンの一つに挙げられるだろう。
続くダブルアンコールではオープニングと同じく8月にリリースされる新曲「MONOGRAM」を叩きつけ、
大ラスには「彩」で激しい演奏でフロアの狂乱の渦に叩き込み、8周年という祝祭は大団円で幕を閉じた。
「バンド8周年を祝おう」と口にすることは容易い事でもある。
しかしMCで智が触れたように、バンドを実際に続けていくその道のりは実に長く、苦しみも喜びも同時にやってくる険しいものだ。
その経験を超えて、力強く未来に向かう彼らの次回ワンマンライブは、12月18日に代々木第二体育館にて行われる。
多くの経験を経て強さを増す彼らの姿を目視すべく、是非足を運んでみようではないか。
その魅力を知らない者がいるならば、彼らの「輝ける未来」を目撃できるチャンスがまだあると言うことを忘れてはならないだろう。
Ⅷ anniversary"OVERTURE"
7/7@Zepp Tokyo
BABEL
EDY
EVE
偽善MASTER
Dead Cherry
- OZONE -
THEATER OF ENVY
FIVE BARKIN ANIMALS
LION HEART
the wonderland from LAB.
Mr.GRIM
XEPPET
SINDRA
Recipe
HEART ch.
GLOSTER IMAGE
ROACH
My secound B-day
Good girl gone bed.
Idea
ENCORE1
July Ⅶth.
ENCORE2
MONOGRAM
彩