1989年、ハムステッドで生まれ、ロンドン北部マスウェルヒルのユダヤ人家庭で育ったジェス・グリン。
15 歳の時、有名テレビ番組「X Factor」に応募したが、プロデューサーと意見が合わず、オーディションから脱落。ブティック、フィットネス・センター、美容室などを転々としながら仕事をこなしていた彼女は10代後半の頃、レコード会社で仕事を始め、作詞家たちやプロデューサーたちと人脈を築きながらアーティストとしての道を切り開いていった。
その後、イースト･ロンドン音楽大学で1年間音楽を勉強した彼女は、そこでソングライターのジン・ジンとプロデューサーのブレス・ビーツに出会う。当時ジン・ジンと手掛けたコラボがブラック・バター・レコーズの目に留まり、デビューまで果たすことになった。ブラック・バター・レコーズの共同社長、ジョー・ゴッサは、グリンについてこう語る。
「私は彼女の歌声を聴いたその瞬間、圧倒されてしまいました。彼女の声にはあらゆる激しい情熱がこもっていましたよ。その声でなら、日常のくだらない話をしても最高でしょう。」グリンは2013年8月アトランティック・レコードと契約を結んだ。2013年、プロデューサーのルート94が彼女に彼の楽曲「マイ・ラヴ」の書き換えとボーカルを依頼。同曲はDJアニー・マックのアルバム『アニー・マック・プレゼンツ』に収録され、その曲を聴いたクリーン・ バンディットが更に彼女へ「ラザー・ビー」のフィーチャリングをお願いした。クリーン・バンディットのジャック・パターソンは彼女の歌声をこう評した。「彼女の声の繊細さは驚くほどだよ。その声からは彼女のデリケートな面と根強いパワーを同時に感じることができるんだ。」2014年1月にシングルとしてリリースされた「ラザー・ビー」は、UK シングルズ・チャートで1位の快挙を成し遂げ、好調なデビューを飾る。同曲は2014年最も迅速に売れたシングルとして3位を果たし、最も多くストリーミングされた曲となった。 更に、ヨーロッパとオセアニアの全国チャートで5位以内にランクインし、米ビルボード・ホット100では10位以内に見事ランクインを果たした。グリンは同曲でグラミー賞のベスト・ダンス・レコーディングを受賞し、BBCミュージック・アワーズのソング・ オブ・ザ・イヤーにノミネートされた。 2014年2月には、ルート94の「マイ・ラヴ」がリリースされ、英国で1位を獲得。グリンがフィーチャリングを手掛けた「ラザー・ビー」と「マイ・ラヴ」両方ともブリット・アワードにノミネートされ、彼女は「出せば売れる」新鋭として世界で一躍注目を浴びた。そんなグリンの華々しいデビューを飾ったアルバム『アイ・クライ・ウェン・アイ・ラフ』の発表から 3 年が経ち、世界中で200万枚以上の売り上げを達成し、「ホールド・マイ・ハンド」、「テイク・ミー・ホーム」、「ドント・ビー・ソー・ハード・オン・ユアセルフ」 など数々の大ヒット曲を生み出した彼女は、今やイギリス音楽界の最も重要な人物の一人となり、手強いソングライターと して立場を固めた。
昨年リリースされたセカンド・アルバム『オールウェイズ・イン・ビトウィーン』ではエド・シーランなど更に多くのヒットメイカーたちとのコラボレーションが実現。「アイル・ビー・ゼア」が全英１位を記録して、UK女性ソロ・アーティストとして初となる７曲の１位を獲得したアーティストとなった。アルバムも初登場1位、続くシングル「オール・アイ・アム」、エド・シーランとの共作「サーズデイ」も立て続けにヒットを記録した。昨年夏サマーソニック2018に出演し初来日、圧巻のパフォーマンスで日本のファンを魅了した。今年はスパイス・ガールズとのツアーも控え、昨年から引き続きワールド・ツアーが各地で敢行される。